東京高等裁判所 昭和27年(う)523号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
(判旨)
本件記録による被告人が弁護人丙と連署した弁護届を二六・一一・二九原審に提出したこと、弁護人丙に二六・一二・六の公判期日を通知したことを証するに足る書面が存しないこと並びに右一二・六の公判期日に丙弁護人が出頭しない儘開廷審理され弁論が終結されていることは所論のとおりである。しかしながら原審第二回公判調書によれば二六・一一・一七の右公判において裁判長は出頭した被告人及び弁護人甲(主任)同乙に次回公判期日を二六・一二・六と指定告知し被告人に出頭を命じており、右は被告人に対しては刑訴法第六五条第二項により召喚状を送達したと同一の効力を有することとなるから丙弁護人に右一二・六の公判期日を通知することは要しないものと解する。蓋し裁判所において公判期日を定め被告人に対して召喚手続をした後に始めて選任の書面を差し出した弁護人に対しては特に右期日を通知することを要しないからである。従つて丙弁護人に右一二・六の公判期日の通知がなされなかつたことを以て同弁護人の弁護権を不法に制したものということはできない。
(説明)
本件は既に大審院、最高裁判所を通じて旧刑訴法以来の通説であり判例であるところに従つた迄である。最近の判例としては、最高裁第三小法廷二四・一一・一五判決(判例集第十一號一七九一頁)がある。